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抽象度の高いゴールを設定する必要性

今回はなぜ、抽象度の高いゴールがよいのかを説明してみようと思う。

 

コーチング理論の根っこにスコトーマという概念があるのはご存じだと思う。我々の認識はごくごく限られたものしか認識にあがらない。それは脳の機能の性質である。ロックオンした情報だけが認識にあがり、ロックアウトされた情報はどれだけ、目の前にあったとしても見えなくなってしまう。逆にいえば、脳は見えなくさせて効率的に働いているともいえる。

 

そして抽象度という概念がある。これは情報量の大小で並べられた階層のことだ。抽象度が高いとは情報量が少ない状態のことであり、情報空間と呼んでいる。その中で最高位に位置するのが空だ。抽象度が低いとは情報量が多い状態のことであり、最も低いところに物理空間がある。定義としては最低位に位置するのを、矛盾としている。

 

抽象度の高い情報空間が情報量が少ないというところが今回のポイントだ。中には抽象度が高いとは多くの情報を含んでいるから情報量が多いと勘違いしてしまう人がいるが、潜在的に含んでいる情報量は多くなっているのだが、その地点の情報量が少ないということなのだ。

 

たとえば、犬という情報量とその上の動物という情報量を比べてみて考えてみてほしい。犬の方が具体的な情報がたくさんあることに気づくと思う。

 

ここで言い換えてみる。

 

高い抽象度の情報とは情報量は少ないにも関わらず、潜在的に含んでいる情報量が多い。犬や猫よりも動物の方が情報量が少ないのに動物には犬と猫の情報が包摂されていてその情報を含んでいるということである。

 

我々の認識はRASによりスコトーマが生み出されてしまうことから逃れることはできない。しかし、高い抽象度で認識したものはその下位にあるものも認識しているということになる。

 

だから高い抽象度のゴールを設定して近づいていくことにより、この宇宙の存在を多く認識することができるようになるのだ。

 

スコトーマの理論により、ロックオンしたものだけが認識にあがり、ロックアウトされたものが認識にあがらない。おなかがすいて、ハンバーグにロックオンするとハンバーグ以外がロックアウトされて見えなくなる。それに反して、全てを包摂している空をロックオンしたらどうなるか?それが悟りだ。この宇宙のすべてが認識にあがったということになる。

 

この場合でいうとお腹がすいて、ハンバーグが食べたいというのを仏教用語で煩悩と呼んでいる。

 

抽象度の最も低いゴールが煩悩

抽象度の最も高いゴールが空(悟り)

 

ゴール設定はWANT TOで自由にできる。とはいうものの煩悩が暴走したゴールを設定したところでスコトーマだらけの認識状態のままである。

 

経済的な成功や人間関係の成功、知性やIQ、我々の欲しいものは今よりも高い抽象度にあることは間違いない。抽象度があがると欲しいものが手にはいったり、問題が解決されたりする。だから抽象度を上げることに意味がある。

 

何も空(悟り)まで行かなくてもよい。しかし今よりも一つ上、一つ上と抽象度の階層を上がっていくことが人類のゴールなんだと思う。

 

そして、上に上がるためには壁がある。その壁をコーチング用語でコンフォートゾーンと呼ぶ。

 

我々はコンフォートゾーンという壁を乗り越えながら、一つ上、一つ上と抽象度の階層を上っていくのだ。

 

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